NEWS

お知らせ

9/5開催|ウミガメ入門

ウミガメレポートアイキャッチ.png

更新日:2020.9.23

ウミガメってかわいいですよね。

そのウミガメの独特のフォルムや生態は、古今東西多くの人々を惹きつけてきました。
土佐清水でもウミガメは、とても身近な存在。足摺岬には弘法大師に由来する「亀呼場」やカメによく似た「亀石」など、数多くのエピソードやスポットが残されています。

そんなウミガメ、実は世界中の海を股にかけて生きるスケールの大きな生き物。そして、見た目もチャーミング。そんなことから、地球規模の環境問題を考えるにおいては、非常にシンボリックな存在でもあります。

今回のイベントと展示では、そんなウミガメのことをもっと知ってもらい、少しウミガメ目線で、地球環境や私たちの暮らしのことを考えてもらうきっかけにしてほしい...ということで、企画されました。


ウミガメ入門

今回、ウミガメのことを教えてくださるのは、高知大学の斉藤先生と、斉藤先生のもとで研究に励む大学院生のお二人。

ウミガメイベント講師紹介.png

こちらの御三方へのプロフィールやインタビューなどは、こちらをCHECK!
ウミガメ_斉藤先生アイキャッチ.jpgのサムネイル画像


フィールドワーク

この日は「アオウミガメ」「タイマイ」「アカウミガメ」の3つのチームに別れて、フィールドワークとサイエンスカフェを開催。

アオウミガメ.pngタイマイ.png

アカウミガメ.png

フィールドワークでは、桜浜と足摺海洋館SATOUMIへ。

桜浜では、産卵地を見学。
毎朝に、ここ桜浜を散歩していて、ウミガメの調査や保全にも関わっていただいている平野さんが急遽、産卵地について解説してくれました。

ウミガメ入門1.jpg今年は桜浜では、例年より多く、4度に渡って産卵が確認されました。
ここで見ているのは7月17日に産卵があった4度目の産卵巣です。

こちらが2020年夏に桜浜で産卵があった場所のマップです。
ウミガメ産卵マップ.png

  産卵 脱出
① 5/25 8/7
②  6/11  8/18
③ 6/26 未確認
④ 7/17  未確認

②の産卵場所では、脱出した幼体が周りの建物のあかりにつられたのか、砂浜を彷徨っていた跡が確認されました。中には、ハマゴウの群落に迷いこみ、絶命したものも。夏の夜は、暗さや静けさを楽しむのがいいのかもしれません

そして、足摺海洋館SATOUMIへ。SATOUMIでは竜串湾の風景をバックにまるで空を飛んでいるようなウミガメが見られます。
アカウミガメが1匹、アオウミガメが2匹います。
ウミガメ入門2.jpg


サイエンスカフェ

フィールドワークのあとは、竜串ビジターセンターうみのわに戻り、サイエンスカフェ。
お待ちかねの赤ちゃんウミガメとのふれあいの時間です。

ウミガメ入門3.jpg※今回の赤ちゃんウミガメは、斉藤先生の研究室で研究のために孵化した赤ちゃんたちです。専門家の管理のもと、適切に育てられています。

今回、連れてきてくれたのは、アカウミガメとアオウミガメ。
実際に動くウミガメを見て、その体の構造などをじっくり観察しました。

そして、斉藤先生のお話の中では、土佐清水が誇る郷土の英雄ジョン万次郎と、ウミガメの関係にも触れていただきました。
ジョン万次郎は、南鳥島でサバイバル生活を行っていたところを、アメリカの捕鯨船に助けられたというのは、有名な話です。
斉藤先生のお話によると、どうやら、この捕鯨船が南鳥島に立ち寄ったのは、島周辺にいたウミガメを食料として捕まえるためだったのではないか...ということでした。
そう、当時、ヨーロッパやアメリカでは、航海の際の貴重な食料としてウミガメを獲っていたのです。

その後、ジョン万次郎は、アメリカに渡り、学問に励み、ゴールドラッシュのカリフォルニアにおいて千金を獲得し、幕末の日本に帰国しました。
同様に、北太平洋にいるアカウミガメも、生まれてから、黒潮、そして北太平洋海流にのってカリフォルニア沿岸に到達し、数十年をアメリカ西海岸で過ごしたあと、また日本に帰ってくるというグローバルな一生を送ります。
そういうところもジョン万次郎と重なるところがあるなぁと、土佐清水とウミガメとの縁を感じました。

ウミガメ入門4.jpg

大海原を旅するウミガメは身近な動物でありながら、その生態はまだまだ謎に包まれています。

今回のイベントでは、そのスケールの大きな生き様や、まだまだ謎の多い不思議な生態、そしてなんといっても見た目のチャーミングさなんかで、ウミガメに心を掴まれた人も多いのではないでしょうか。
ウミガメを通じて、地域の自然の豊かさを実感していただくと同時に、少し、ウミガメの目線になって、地球環境のことや私たちの暮らしのことを考えてみてもらえたらと思います。

斉藤先生、学生さんの皆さん、そして参加者の皆さん、どうもありがとうございました!


ウミガメ入門は9月30日まで開催中!

企画展ウミガメ入門は今月末まで開催しています。
アカウミガメの一生を漫画にしたポスター展示、そして、赤ちゃんのウミガメを期間限定で飼育しています。
こんな感じの空飛ぶ赤ちゃんウミガメを見られますよ!
ぜひ、竜串ビジターセンターうみのわまでお越しください。


READ MORE

▶︎ウミガメインタビューvol.1
▶︎ウミガメ観察日記

竜串ビジターセンターうみのわと土佐清水ジオパーク推進協議会は、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいます。

SDGS.jpg

記事一覧へ戻る