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幻の黒田郡伝承?シュノーケリングで爪白石柱群を覗いてみよう!

地震により一夜にして水没した幻の村「黒田郡(くろだごおり)」の伝承をご存知でしょうか?
高知県の沿岸部には、地震によって水没した集落の伝承や、海底に沈んでいる人工物の情報が各地に残されています。
ここ、竜串ビジターセンターうみのわのほど近くにある爪白海岸の海底にも、人工物の可能性がある石柱が沈んでいることが以前から知られていて、人々のロマンを掻き立ててきました。
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爪白海底の石柱(写真提供:竜串ダイビングセンター)


この夏、竜串ビジターセンターうみのわでは、黒田郡伝承の研究に挑む海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所の谷川亘 主任研究員を招いたトークショーと、海底の石柱を探しに行くシュノーケリング体験を開催します!
さらに、爪白の海底から引き揚げた石柱の実物も展示します。
果たして、沈んだ伝説の村は存在するのか?
爪白の石柱は一体どこから来たのか?
この夏は、竜串ビジターセンターうみのわで黒田郡伝説の謎と爪白の石柱の秘密に触れてみてください!
イベントのチラシはこちら↓
黒田郡チラシ.jpg

イベント概要

フィールドワーク「シュノーケリングで爪白石柱群を覗いてみよう」

黒田郡の謎を追っている海洋研究開発機構(JAMSTEC)の谷川 主任研究員と一緒にシュノーケルで石柱群を見にいきます!
石柱の周りを泳ぐ色とりどりのお魚やサンゴなど、海の生き物も見どころです。
JAMSTECの研究者と一緒にシュノーケルで石柱を見にいけるなんて、またとないチャンスですよ!

日時   令和2年8月22日(土)13:00〜15:00(荒天時中止)
集合場所 足摺宇和海国立公園竜串ビジターセンターうみのわ
参加料  1000円(保険代込)
定員   15名
持ち物  シュノーケリング道具
    (シュノーケリングマスク、ライフジャケット、フィンなど)
     *レンタル品もご用意しております。
対象   小学校5年生以上
用具のレンタルについて
・シュノーケリングセット(シュノーケルマスク+ライフジャケット+フィン)→1セット 1,500円
・マリンブーツ →1足 500円
申し込み方法
下記の申し込み先へ参加者の人数、お名前、住所、年齢、ご連絡先、当日必要なレンタル品があればサイズ等をお伝えください。

トークショー「海に沈んだ伝説の村を探して、爪白海底に眠る石柱群」

黒田郡伝承と海底石柱群の謎に挑む研究者の物語。
この講演を聴けば、同日午後に行うシュノーケリング体験がもっと楽しくなります!ぜひこちらもご参加ください。

日時:令和2年8月22日(土)10:00〜11:00
場所:竜串ビジターセンターうみのわ
講師:谷川 亘 氏(海洋研究開発機構高知コア研究所)
定員:20名
参加料:無料
申込方法
以下のお申し込み先までご連絡ください。

お申し込み・お問い合わせ
竜串ビジターセンターうみのわ
(土佐清水市国立公園*ジオパーク推進課)
TEL:0880-87-9500
MAIL:uminowa@city.tosashimizu.lg.jp


8月1日(土)〜8月30日(日)の期間中、研究のために引き揚げられた石柱と研究成果に関するパネルの展示もおこないます。

黒田郡をもっと知ろう!

黒田郡伝承とは?

高知県沿岸部には、684年に発生したた南海トラフ沿いの巨大地震とされている白鳳地震によって海に沈んだ集落の伝承が広く残されています。水没したという集落は「黒田郡」や「◯◯千軒」という呼称で民間に浸透しており、その周辺海域に沈んでいる人工物と関係があるのではないかと考えられてきました。
白鳳地震により被害状況を記した文献は『日本書紀』(720年)にまでさかのぼり、

「時に伊豫湯泉、沒れて出でず。土佐国の田苑(はたけ)五十万頃(約12k㎡)あまり沒れて海となれり」

と記述されています。

しかし、黒田郡の実態はいまだ明らかになっていません。

黒田郡の伝説に挑む!黒田郡プロジェクト!

黒田郡プロジェクトアイコン.jpgこの黒田郡伝承については、これまで歴史学や考古学的な観点から、研究者や市民有志調査・研究が行われてきました。「黒田郡プロジェクト」では、これまで培われた歴史学的、考古学的な研究に加え、地球科学の視点からその謎に挑んでいます。現在もJAMSTECと高知大学の研究者がタッグを組み、県内各地で調査を進めています。
伝説の村の存在は大きなロマンを感じるものですが、それと同時に人類が過去に遭遇した災害の記憶でもあります。黒田郡の謎を解き明かすことで、将来起こりうる南海トラフ地震のメカニズムを明らかにできる可能性があるのです。
将来必ず発生する災害に対し、私たちはどのように備えればよいのか...黒田郡伝承に、そのヒントが隠されているかもしれません。

今回のイベントにお招きするのは、この黒田郡プロジェクトの中心メンバーであるJAMSTECの谷川亘先生。
谷川先生たちのグループでは、爪白の海底から石柱を引き揚げ、地球科学の知見から、石柱の分析を試みました。

谷川先生たちが2014年に爪白海岸から石柱を引き揚げたときの様子(黒田郡プロジェクト公式Twitterアカウント@Kurodagoriより)


谷川先生のトークショーでは、爪白の海底での研究成果のほか、県内各地での調査についてもお話していただきます。

谷川先生のプロフィール

谷川 亘(たにがわ わたる)

海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所 主任研究員
地球深部探査船「ちきゅう」で海底から採ってきた断層の岩石を調べるなど地質学的な立場から地震のメカニズムを研究。黒田郡プロジェクトのほか、地震津波などの災害の記録を記した石碑を三次元のデジタル画像として記録する「地震津波碑×デジタルアーカイブ」のプロジェクトにも取り組んでいる。



はたして、爪白の石柱群は黒田郡のものなのか?

イベントの前に爪白の石柱群が黒田郡伝承のものなのか、結論を申し上げておくと、谷川先生たちの研究の結果「この石柱群は黒田郡伝承とは関係がない可能性が高い。」とのこと。
少しがっかりされるかもしれませんが、この石柱たちは、684年の白鳳地震で流されたものではなく、1700〜1800年代に起こった津波や嵐によって近くの爪白集落から流されたものではないかという結果がわかってきました。
黒田郡のことや、爪白海底石柱群の研究でわかったことはなど、詳しくは谷川先生のトークショーでお話していただける予定です。

この夏は、高知の海に眠っているかもしれない黒田郡の謎に触れてみてください。
そして、災害とうまく付き合う方法なんかも一緒に探っていければと思います。

石柱群の近くでは、シコロサンゴをはじめ、海の生き物たちも観察できますよ!
爪白の海の中はこんな感じ。


■この記事に関するお問い合わせ■
竜串ビジターセンターうみのわ(国立公園*ジオパーク推進課)
TEL:0880-87-9500
MAIL:uminowa@city.tosashimizu.lg.jp

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