清水さばをまるごと味わおう!|まちあるき土佐の清水さばツアー
更新日 2020.11.9
新鮮な海の幸が美味しい土佐清水。
その中でも、土佐清水が誇るブランド魚、「清水さば」は特別だ。
そんな清水さばのおいしさのヒミツを魚市場や、漁師町を歩きながら解き明かすジオガイドツアーがある。
このツアーでは、地元のガイドが普段はなかなか見ることができない魚市場の風景や、漁師町ならではのお店にご案内。
そして、ツアーの最後には、新鮮な清水さばのお刺身定食が待っている!そのおいしさのヒミツや、清水さばが食卓にのぼるまでの過程を知れば、おいしさはひとしお。
清水さばをまるごと味わい尽くす「まちあるき 土佐の清水さばツアー」をご紹介。
清水さばって?
土佐清水が誇るブランド魚「土佐の清水さば」。
足摺岬沖は、潮流が速くエサが豊富。身の締まったサバが一年を通じて漁獲されている。
この海域で「立縄漁法」によって一尾一尾丁寧に釣り上げられ、高知県漁協清水統括支所に水揚げされたゴマサバが清水さばである。
せっかく土佐清水まで来たのなら、清水さばのお刺身を食してもらいたい。
プリプリ、モチモチの食感は、産地ならではの味わいだ。
まちあるき 土佐の清水さばツアーへ
ツアーの集合場所は、土佐清水の市街地市場町にある「高知県漁協清水統括支所」。
車での移動なら、漁協を少しすぎた、港の端の方に駐車スペースがある。
バスなら、プラザパル前のバス停から徒歩で10分ほどのところだ。
漁協の前で、ジオガイドさんと待ち合わせ。
この日、案内してくれたのは、ジオガイド吉田さん。
市場を見学しよう!
まず、はじめに、市場の様子を見学。
市場の端に、清水さばの生簀があるので、そこで泳いでいる清水さばを見させてもらうことができる。生簀をぐるぐるとまわるサバのなんと美しいこと!
そして、運が良かったら、漁協のお兄さんたちが、水揚げされた清水さばを生簀へ運搬する光景(通称「さばダッシュ」)を見ることができる。
漁協のお兄さんたちがなぜこんなに走っているかというと、水揚げされたさばの鮮度を保つため。
少しでも早く生簀に入れてあげるために船と生簀の間をダッシュしているのだ。
この日は、漁協の清水さばの販売部の境さんにお話をきくことができた。
生簀を泳いでいる清水さばを見ていると、背中の模様が黒ずんでいるものと、青っぽくキレイに光っているものがいることに気づく。
これは、釣ってすぐの個体は、ストレスを感じて、背中が黒ずんでいるようだけど、少し生簀で泳がしてあげるとストレスが抜けて、さば本来の美しい模様がキレイに見えてくるらしい。
さばのストレスは味わいにも影響するらしく、清水さばは、ストレスを抜くため、この生簀でだいたい2日くらい泳がしてから出荷されるとのこと。
この境さんはじめとする漁協の職員さんや漁師さんが、清水さばに愛情を持って、とても丁寧に扱っているということが伝わってくる。
こんなに愛情をかけられているのだから、そりゃあ、美味しいはずだ。
▲漁協の境さん。生簀の管理やさばダッシュのほか、新鮮な清水さばが食べられる居酒屋「土佐清水ワールド」に活魚を届ける仕事をしている。
境さんにおすすめの食べ方を聞いたら、「やっぱり、新鮮な清水さばの食感を楽しんでもらいたいから、活〆めの刺身ですね。特におすすめはあぶらののった11月から2月くらいのものが最高ですよ!」とのこと。
さばの生簀の見学の後は、市場のセリの風景を見学。
市街地に鳴り響くサイレンが競りの合図。漁がある日は、1日に何度もサイレンが鳴る。
市場では、その時々でいろんな魚が水揚げされているのを見ることができる。
▶︎いろんな魚がいてとても楽しい市場だけれど、責任あるツーリストとして、海の仕事人たちのお仕事の邪魔にならないようにしたいもの。
市場から少し歩くと、漁師さんたちの小屋が立ち並ぶエリアに。
ここでは、漁に備えて漁具の手入れや、エサを準備している漁師さんやそれを支える奥さま方に会うことができる。
この日は、この道50年以上の大ベテランのサバ漁師のお父さんに出会えた。
▲この漁師のお父さん、清水さばがブランド化されるずっと前から、かれこれ50年以上サバを釣っている大ベテランの漁師さん。
漁師町を支える漁具店へ!
そして、ガイドの吉田さんに案内されて向かったのは、漁具を作って販売している「福屋」さん。
お店に入ると、所狭しとある漁具に圧倒される。
何に使うのかよくわからないけれど、働く人たちの道具というものはカッコいい。
そんな漁具が店いっぱいにあるという心ときめく空間だ。
この福屋さんは、戦後間も無く、ここ清水で創業。
かつてカツオ漁で栄えた土佐清水のまちを陰でずっと支えてきたお店だ。
ここの店主の関健二さんは、東京は品川生まれの江戸っ子、20年ほど前に先代から店を引き継ぎ、奥さまの故郷である土佐清水に移住してきた。
▲福屋店主の関さん。
「私が子どもの頃は、品川も今みたいな大都会じゃなくて、海がすぐそばにあった。海が好きだったんだよね。だから、今こうして、海の近くで海にかかわる仕事ができて幸せだよ。」と話してくれた。
店の奥では、おばちゃんたちが、何やらキレイな羽を使って工芸品のようなものを作っていた。
慣れた手つきで次々と作られていくのは、カツオ の一本釣り漁で使われる毛針。
吊り上げると、その反動で針がカツオから取れるようになっており、この手製の毛針が、あの豪快なカツオの一本釣りという漁法を可能にしている。
今もこうして、高知の産業を支えているのだ。
ここの福屋さん、今ではなかなか見られない漁具などもたくさんあって、さながら、漁師町清水の歴史博物館のような場所だった。
それから、製氷工場の跡地に床屋、銭湯、そしてスナック街...漁師町のノスタルジックな街並みを散策。
ーそもそも、どうしてここ、土佐清水は漁業の町となったのだろう?
ーどうして、清水さばは美味しいのだろう?
そこは、さすが地質や地形にも詳しいジオガイドさんだけあって、それらのヒミツは、吉田さんがしっかり解説。
その解説は、あの「ブラタモリ」のように、新鮮な驚きと少しばかりの知的な感動を与えてくれる。
清水さばのお刺身を食べる!
そして、お待ちかねのお刺身のランチへ。
ランチをいただくのは、中央町商店街にある「りきゅう家」さん。
「清水さば」ののぼり旗が目印。
鮮魚店の直営だからこそ提供できる清水さばをはじめとする新鮮な魚が自慢のお店だ。
▲こちらが店主の宮地さん。先代の宮地さんのお父さんや周りの仲買人の仲間たちから叩き込まれた宮地さんの目利きが光っている。この日はハガツオを競り落としていた。
こちらが、清水さばのお刺身定食。
新鮮な清水さばのコリコリ、モチモチした食感とほのかな甘みがとても美味しい。
さっき出会った漁協の職員さんや、漁師のおじさんや漁具屋さん、そして魚屋さん、漁師町を支える様々な人たち、そして黒潮と大地の恵みがこの清水さばのおいしさを作りあげているのね...とそのおいしさを噛みしめながら食した。
ただ食べるだけではない、深みのあるおいしさがそこにはあるのだ。
清水さば以外にもハガツオやネイリなどその時々の新鮮な魚も楽しめる。
ただし、漁業は自然相手のため、天候などにより提供できないこともある。
※ランチの料金(1,300円)はツアー代金には含まれておりません。各自でお支払いください。
りきゅう家
ツアーはここで終了。
市街地の見どころマップをガイドさんにもらえるから、ランチの後もぜひ、まちを散策してみてほしい。
観光客だけでは立ち入りにくい、魚市場や地元の人もなかなか知らない漁具店など漁師町のディープな雰囲気を楽しむことができるのがこのツアーの醍醐味。
大地と海と人が作りだす「清水さば」をめぐる物語を知れば、その味はさらに特別なものに!
まちあるき 土佐の清水さばツアー
開催日 日、月、水、木、金(火曜及び土曜、年末年始等の市場の休業日は開催しません。)
開催時間 9:30〜11:30頃(約120分)
料金 3,000円(保険料、ガイド料込)
※昼食代金は含まれません。各自で店舗にお支払いください。
ツアー詳細やお申し込みはこちらから。
「土佐の清水さばツアー」はじめジオガイドツアーはGoToトラベルはじめ、各種クーポン龍馬パスポートの対象になっています。
ぜひ、この機会にジオガイドツアーに参加してみてくださいね!
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