スマホを持って竜串へ|海岸歩きを充実させる3つのアイテム
更新日:2020.9.24
はじめに
夏の間、灼熱だった海岸も、秋の虫の声とともに過ごしやすい季節がやってきつつある今日この頃。
土佐清水に来たのなら、竜串や見残し海岸を存分に歩きまわってみよう。
不思議な造形の岩が連なる景色は圧巻。
そこに立っているだけで、別の惑星に来たかのような感覚に陥る。
見残し海岸の屏風岩
この景色ができた背景には、1700万年の地球の歴史がある。
せっかく、ここに来たのなら、大地の記憶に耳を傾け、1700万年という時間が作った物語を感じてみよう。
ーでも、どうやって?
ー大地の記憶に耳を傾けるなんてこと、地質学者や霊能者じゃないからできるわけがない?
それを手助けするために、土佐清水ジオパーク構想では、次の3つのアイテムを準備している。
- ガイドマップ
- 解説板
- 位置情報付き解説アプリ
これらのアイテムを使えば、1700万年の地球の物語を感じることができるはず。
各アイテムの使い方や入手場所などをこちらで解説。
おたすけアイテムたちを手に、大地の物語を感じてみよう!
この記事を書いた人
今井 悟(ジオパーク専門員)
大学時代より、竜串の地層に惚れ込み、研究を続ける。
地質コンサル勤め時代に、日本各地の地層を見たが、竜串の地層が忘れられず、土佐清水に移住。
ジオパーク専門員として、竜串はじめ土佐清水の大地を日々探究中。
おたすけアイテムその1|ガイドマップ
竜串海岸に繰り出す前に、竜串に着いたらまず向かってほしいのが、「竜串ビジターセンターうみのわ」だ。足摺宇和海国立公園のビジターセンターであり、土佐清水ジオパーク構想の拠点施設でもあるうみのわには、エリア内の自然や文化を学べる展示のほか、各地のガイドブックなどが揃っている。
まずは、ここで、この竜串・見残し海岸のガイドマップを手に入れよう。
(中身を見るには、画像をクリック!Kochi ebooksさんのサイトで閲覧できます。)
海岸の見どころのほか、この不思議な海岸がどうやってできたのか漫画やイラストで解説している。
このガイドマップ、周辺の施設や商店などにも置いてもらっているから、竜串エリアなら、ほぼどこでも手に入るはず。
ガイドマップには、QRコードとアプリの使い方なんかも紹介している。これがあれば、海岸散策はバッチリ。
おたすけアイテムその2|解説板
竜串海岸の入り口と桜浜、そして、見残し海岸の船着場に上のような解説板を設置している。
「考えながら歩く」をテーマに、イラストを使った地層の解説や、海岸の風景をより楽しむコツなどが書かれている。
板面には解説アプリのQRコードがあるから、ガイドマップを持っていない人は、ここで読み込んでおこう。
おたすけアイテムその3|解説アプリ
ずっと同じような岩が続く海岸では、場所が分かりづらく、看板やガイドマップだけでは、見どころを見逃すかもしれない。かといって、それぞれの見どころに解説パネルをつけるなんて野暮なことは、景観を損ねることになるから、絶対にできない。
そこで役立つのが、このアプリ「QRサインせんせ」。これを使えば、位置情報を元に、見どころの正確な場所まで導いてくれる。
読み込むだけで、ダウンロードは不要。
上の2つのアイテムからQRコードを読み込める。
もしくは、ここから解説アプリへリンクして、ブックマークしておこう。
これをたよりにまわれば、何も知らないと見逃してしまいそうな、大昔の生き物の暮らしていた化石(生痕化石↓)なんかもきっと見つけられるはず。
ゴカイの這った痕が化石となっているもの。(マカロニクヌス Macaronichnus)学名のマカロニクヌスは、うにゃうにゃした形態がマカロニのようだったことに由来する。
下のエッセイにも書いているけど、悲劇的な結末を招くことになるから、くれぐれも歩きスマホはしないように。
スマホを持って竜串へ
ジオパーク専門員 今井 悟
「何でもない景色」なんて存在しない。
どんな場所であっても、土台となる大地 、その上に存在する自然環境、そして人の暮らしが関わり合って生まれる物語が必ずある。
それに気が付いたとき、きっと何か感じるものがあるはずだ 。
だから、「何でもない景色」なんてない。
もちろん、竜串海岸や見残し海岸の景色にも物語が存在するわけだが、そのままでも人の心を惹き付けるのに十分なほど美しいためか、多くの人が記念写真を撮って満足してしまっているような気がして、もったいないと思っていた。
景色に潜む物語を発見するためには、景色を作る要素を知る作業が必要だ。
植物の名前、雲の種類、虫の声. . .
知れば知るほど 、景色は鮮やかになっていく。
最近では、ポケットタイプの図鑑や、生き物の名前を調べることができるアプリなど、発見の手助けをしてくれるツールが充実してい る。
ところが、竜串 · 見残し海岸の主役 である地層はと言うと、これがなかなか難しかった。
竜串 · 見残し海岸で見えているのは砂岩という砂が固まってできた岩石がほとんど。
図鑑などで岩石の名前を調べるだけでは、見える景色はそれほど変わらない 。
そこで、土佐清水ジオパーク構想では、竜串海岸と見残し海岸をもっと楽しむためのアプリを作成した。
お手持ちのスマホやタブレットでQRコードを読み込むとアプリが起動して、自分の居場所と、竜串・見残し海岸を深く知ることができるポイントの位置、そしてその解説を見ることができるようになっている。
観光に来た方だけでなく、地元の皆様にもぜひ利用して楽しんでほしい。
ただし、スマホは必ず立ち止まって操作していただきたい。
例えばスマホに気を取られて足元を疎かにした結果、つまずいてしまったとしよう。
バランスを失った身体は砂岩にぶつかり合いを挑むこととなるが、言うまでもなく敗北を喫して怪我を負うのは身体の方である。
そして、手から宙へと飛び立ったスマホは、砂岩に打ち付けられて易々と破壊されるか、あるいは海底の堆積物になるであろう。
竜串・見残し海岸が歩んできた約1700万年という地球 の営みを前にすれば、人体も文明の利器もあまりに貧弱な存在なのだ。大切な身体とデータを守るために、歩きスマホはやめておこう。
土佐清水ジオパーク構想のパンフレット
どちらもKochi ebooksさんのサイトから閲覧できます。
画像をクリック!
さらに、竜串海岸を楽しみたい方にはジオガイドツアーがオススメ!
竜串海岸を舞台にしたガイドツアーも多数あり!