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市民図書館との連携イベント「清水のシオ」を開催しました

web用サムネイル.png土佐清水ジオパーク推進協議会と土佐清水市民図書館は、2021年9月25日(土)に「清水のシオ」と題して土佐清水ジオパークの拠点施設「うみのわ」で塩について学ぶイベントを開催しました。「うみのわ」は竜串湾を目の前にした塩と潮とジオと土佐清水の関係について学ぶ絶好の場所。この地の利を生かして海水から塩をつくる実験を主としたイベントとしました。また、市民図書館は移動図書館を「うみのわ」のテラス側で開館し、イベント参加者だけでなく「うみのわ」来訪者にも利用していただけるようにしました。移動図書館JPG

清水のシオ説明.JPG「清水のシオ」に参加してくれたのは、小学2年生、3年生、4年生、6年生、保護者の計10人。実験にみんなが参加できるように2チームに分けました。塩づくり実験は塩水(海水)を煮詰めて行いますが、参加した年齢構成を考慮して、
① クイズ:水に溶ける塩の量は?
② 塩水であぶり出し
③ 塩の作り方の説明
④ 竜串の海水で塩づくり
⑤ 塩に関係する本の紹介
という順番で進めました。

初めに(①)100㏄の水に溶ける塩の量をあらかじめ用意しておいた10g、30g、50gの食塩の中から予想してもらい、予想した塩が全部溶けきるかどうかを確かめてもらいました。50gと予想した人が2人であとは30g。50gを選択した人はなかなか溶けきらない塩を根気よくかき混ぜてくれていました。また、塩を一度に入れる人が多い中、6年生の2人は塩を少し入れ、溶けきったらまた少し入れるという科学のやり方が身についていて感心です。

塩あぶり出し.jpg

②では①で作った塩水を使って黒画用紙に絵を描いてもらい、それをドライヤーで乾かすというあぶり出し。白く浮き出てきたものが食塩であることが確認できました。

これらの実験を経て③で塩を海水から作られるだけではなく、岩のようになった塩を利用することや土佐清水でもかつては砂浜を使って塩づくりをしていたことがあったことなどについて江戸時代に描かれた絵図を使って説明。

④でいよいよ桜浜に出て潮汲み。バケツで汲んだ海水をペットボトルに小分けにして持ち帰りました。

潮汲み.JPG

ペットボトルを光にかざしても目に見えるごみはなく、竜串の海がとてもきれいなことが再確認できました。キレイな海水でしたが、これをそのまま煮詰めるのではなく、念のためコーヒーフィルタで濾したものをフライパンに入れ、IHヒーターのスイッチを入れて煮詰まるのを待ちます。それまで10分程度時間がかかるので、フライパンの様子に注意を払いつつ、市民図書館から塩にまつわる本を紹介しました。
紹介した本は、今回学んだ塩づくりにかかわることがしっかり書かれており、学んだことの復習に活かせる資料だと思います。また、海水から塩をつくるので、そもそも海(水)とは、という本も同時に紹介させていただきました。参加者も興味を持って、本の紹介を聞いてくれていたと思います。


<今回紹介した本>市民図書館で借りることができます

タイトル 著者 出版社
科学のアルバム「塩」海からきた宝石 片平 孝 あかね書房
広くてふしぎな世界「海の大研究」姿・役割・地球環境とのかかわり 東京大学海洋研究所 PHP研究所

塩づくり.jpg本の紹介が終わったちょうどそのタイミングで、海水が煮詰まり、フライパンの底には真っ白な塩が出来上がりました。できた塩を虫眼鏡や顕微鏡で観察し、塩の結晶の形を確認しました。


最後に、なぜ海水がしょっぱいのかについて、塩の起源は地球ができた40億年前までさかのぼることを説明し、イベントを閉じました。
今回実施したイベントで取り上げた塩が溶ける量や塩の作り方については小学5年生の理科で習う内容で、6年生にはネタバレでしたが、講師側からの問いかけにも真面目に答えてくれて、実験にも積極的に参加してくれました。また低学年の子供たちも興味津々で手を動かしてくれていました。参加の記念に塩あぶりだしや海水から取った塩を持って帰る人もあり、印象に残るイベントになったようです。
このイベントを通じて、塩と潮とジオと清水の関係について興味を持ってくれるとうれしいです。

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