土佐清水ジオパーク サイトマップonWeb

自由に選べる基本地図にいろんな情報を重ね合わせ

はじめに

土佐清水ジオパークは、3800万年前頃から1700万年前頃までに作られた付加体を基盤として、日本海拡大期の1700万年前頃に堆積した三崎層群、1300万年前頃作られた足摺岬花崗岩体といった地形・地質を土台として、その上に息づく生態系やわたしたちが長年築き上げてきた暮らしや文化から成り立っています。土佐清水ジオパーク推進協議会は、地域を特徴づけるこれらの貴重な財産を将来にわたって保全し、併せて地域の魅力として活用するため、土佐清水ジオパークエリア内に「地形・地質サイト」「自然サイト」「文化サイト」を設定しています(土佐清水ジオパークにおける資源の保全計画(2022))。

これらのサイトについて、地図上に位置を示したものを保全計画の別図として用意し、土佐清水ジオパークのホームページで閲覧できるようにしています。また、地図を自由に拡大縮小できるGoogleマイマップ上にサイトの位置を表示したものもホームページに掲載し、マップ上に表示したサイト位置をクリックすることにより個々のサイトの特徴、資源としての価値、写真などの説明を表示できるようにしています(https://tosashimizu-geo.jp/highlight/)。

Googleマイマップでは、もとのGoogleマップにある様々な施設なども表示されるため、サイト周辺の状況がわかるという利点がありますが、必ずしも必要ではない情報が入り込みわずらわしさを感じることがあります。そこで、Web上で地図の拡大縮小を容易に行うことができる地図を利用して、Googleマップ以外の地図に切り替えて表示できるようにしたWebツール「サイトマップon Web」を作成しました。これによりGoogleマップだけに頼ることのないサイトマップ表示が実現しました。

sitemap_firstPage.png

サイトマップon Webの構成と表示

サイトマップon WebはGoogleマイマップと同様に、Webブラウザーの画面に地図を表示する領域を作り、その地図の上にサイトなどの位置を重ねて表示します。

下地に用いる基本地図としてGoogleマップに加え、クレジットの表示だけで自由に使うことができる国土地理院が提供する「地理院地図」(標準地図、淡色地図、白地図)、有志による地理空間情報プロジェクトが作成したOpenStreetMapを選択できるようにしています。また、専門的な情報を表示した地図として、標高で色分けした地図(色別標高図)、地形の起伏を陰影で表した地図( 陰影起伏図、いずれも国土地理院)、地表の岩石など地質の分布を示した地図(シームレス地質図V2、産業技術総合研究所)も用意しています。これらの地図のいずれかを下地の地図として切り替えて表示します。

選択できる地図 提供元
基本地図
Google Map Google
地理院地図 標準地図  国土地理院
  同   淡色地図  国土地理院
  同   白地図  国土地理院
OpenStreetMap  OpenStreetMap財団
専門地図
  色別表構図  国土地理院
  陰影起伏図  国土地理院
  シームレス地質図V2  産業技術総合研究所

下地の地図に表示する情報として、サイトの位置のほか、ジオパークの案内標識、サイト解説板、サイト近傍の駐車場、トイレの位置を重ね合わせることができます。

そのほか地図に重ね合わせる図面として、足摺宇和海国立公園の範囲、土佐清水ジオパークの範囲、植生図(環境省)、海成段丘分布図(太田・小田切1994)、津波避難場所(高知県)、津波浸水予測図(高知県)を用意しています。
 なお、海成段丘の図は太田・小田切(1994)の図を合成し、着色したものをタイル化して表示するようにしています。

選択できる図 提供元・出典
足摺宇和海国立公園の範囲 環境省
土佐清水ジオパークの範囲 土佐清水ジオパーク推進協議会
植生図 環境省
海成段丘分布図 太田・小田切(1994)「土佐湾南西岸の海成段丘と第四紀後期の地殻変動」
津波避難場所 土佐清水市
津波浸水予測図 国土数値情報(高知県の資料をもとに国土地理院が作成)

Webページを立ち上げた際の初期状態は「地形・地質サイト」「自然サイト」「文化サイト」の位置を表示したものにしています。「文化サイト」のうち「自然災害碑群」については他の文化サイトと区別して整理し、災害要因で分けて表示します。

  

サイトマップ表示上の工夫

サイトマップを活用するために以下のように工夫しています。 

 

使ってみましょう

今回作成したサイトマップon Webは、土佐清水ジオパーク内のサイトの全体像を把握するために用いるほか、サイトに出かける際の事前準備や実際に現場に出向いた際のサイト情報の確認などに用いることも期待しています。

まずは、ここをクリックして実物を見てください。

なお、このリンク先はPC用ページで、初期状態は地理院地図(淡色地図)に各サイトを表示したものになっています。モバイル端末で表示する場合はこの画面の右下にあるQRコードを読み取ってアクセスしてください。モバイル端末用の初期画面の下地の地図はOpenStreetMapです。

操作や表示画面こちらのページをご覧ください。

 

サイトマップの拡充に向けて

今後は、現地の写真や動画などより詳しい映像情報を追加したり、竜串海岸、見残し海岸用に作成した「サインせんせ」のようなより細かな位置まで見られるように情報を追加したりしていくことも検討したいと考えています。

謝辞

本稿をまとめるにあたり、土佐清水ジオパーク推進協議会の森口夏季専門員、冨永紘平専門員の助言をいただきました。また、津波浸水予測図、津波避難場所のデータ及びトイレ、駐車場のアイコンは冨永専門員が加工・作製したものをご提供いただきました。記して謝意を表します。

海成段丘の図をタイル化するにあたって、MapTiler Cloud のAPIを使用しました。

leafletを用いた地図表示のコーディングには、谷謙二氏(元埼玉大学教育学部教授)によるWebサイトhttps://ktgis.net/index.htmlを参考にしました。

  文責:土佐清水ジオパーク推進協議会 土井恵治

参考文献および参考サイト

太田陽子・小田切聡子,1994:土佐湾南西岸の海成段丘と第四紀後期の地殻変動,地学雑誌,103(3),243-267

地理院地図:https://maps.gsi.go.jp/#11/32.849885/132.864876/

環境省生物多様性センター:http://gis.biodic.go.jp/webgis/index.html

20万分の1日本シームレス地質図V2 Web API:https://gbank.gsj.jp/seamless/v2/api/1.3.1/

国土数値情報ダウンロードサイト:https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A40-2022.html

MapTiler Cloud API: https://api.maptiler.com/